ここでは、躰道にある5つの競技の説明をしています。
競技内容から審判方法も簡単に載せています。
『百聞は一見に如かず』とは言いますが、躰道を全く知らない方が実際に躰道の大会を観ても、
いつ技が極まったのか?
どんな優劣があったのか?
など分からないことが多くあると思います。
躰道を知らない方は、大会を観戦する時には、ここに載せてあることを頭の隅にでも置いて頂いて、
躰道のダイナミックな動きに魅了されてさえ頂ければ、嬉しく思います。
◇個人法形競技(個法)
法形とは、他武道でいうところの「型」になります。
法形競技は、突き蹴り、構えなど基本的要素は基より、更に創造性を大切にしており、
創造性の高い術技や難易度の高い転技を取り入れて、競い合う競技になります。
個法では2人同時に法形を行うトーナメント方式で、
3人の審判によって優劣を決めるという方法をとっています。
このシステムは躰道独自と言えます。
◇個人実戦競技(個実)
実戦とは、その名の通り実際に戦うものになります。
躰道では、実戦中の構えはほぼ中段構えになります。
構えを崩さず運足を行い、技を極め、間合いを取って構える(原態復帰)と有効技として認められます。
競技では、空手や柔道とほぼ同じで、有効、技有り、一本の三つによって優劣を決します。
運足や原態復帰の有無、技の効果等で判定します。
また、場外に出る、運足をしていない、暴言を吐く等、躰道理念・競技理念に反する行為をすると注意をもらいます。
注意は、注意→警告→退場の順で、3回で反則負けとなります。
更に、躰道では顔面攻撃を厳しく禁じています。
躰道の動きは激しく技の威力も高いため、顔面攻撃を許してしまうと相手にダメージを与えすぎてしまいます。
相手を傷つけるために競技があるわけではないので、顔面への攻撃は禁止されています。
顔面攻撃によって相手を倒してしまった場合、相手のダメージが大きいと一発で反則負けになります。
実戦競技での審判は、2人審判で判定していますが、これには問題点が幾つかあるため、
最近になって徐々に3人審判への移行する流れがあります。
◇展開競技
展開とは、躰道独自の競技です。
簡単に言えば、アクション映画の殺陣シーンを想像して頂ければ遠くはありません。
1人の「主」と、旋(1)・運(2)・変(3)・捻(4)・転(5)の
それぞれの技を得意とする5名が約束攻防を繰り広げ、主が5名の敵を倒していくという競技です。
背中にそれぞれ、「主」「1」「2」「3」「4」「5」と書かれており、
例えば、「1」は旋技を中心に攻めなければならず、
やられる時も旋技を出してやられなければならないという制約があります。
競技時間は30秒で、その中でいかに創造性溢れ、
難易度の高い攻防をするかが勝負の分かれ目になっています。
審判は6名で行い、それぞれ採点する選手が決まっています。
採点方法は、敵役5名は10点満点、主役のみ20点満点で採点され、合計点で競います。
近年は高技術化してきており、下手なアクション映画よりも見応えがある展開ばかりになっています。
◇団体法形競技(団法)
団法は、法形を5人1組で行う競技になります。
法形競技の審判点に加えて他との調和も必要となります。
一糸乱れぬ団法をするためには、個性を限りなく少なくする必要があり
基本に則った上で創造性を加える法形をすることが大切になります。
審判員3名で採点され、主審が10点満点、副審2名は5点満点の採点法で競い合います。
◇団体実戦競技(団実)
団実は、実戦競技を5人1組で総当たりで行う競技です。
躰道の団実は、他武道の団体戦とは一風変わったものになっています。
躰道には5つの躰技がありますが、それらを
旋・運(1)、運・変(2)、変・捻(3)、捻・転(4)、転・旋(5)に分け、
それぞれを選手の得意技を考慮して、重複しないように振り分けます。
その種類の技を極めた場合には、有効が技有りに、技有りが一本になるようになっています。
例えば1番なら、旋体直状突きや運体飛燕蹴りなどがそれに当たります。
また、団実には競技監督がおり、相手選手との得意・不得意を見極め、
どの選手を出すかを託されています。
このシステムも階級別に分けられた他武道の団体戦とは一線を画すもので、団実の面白い要素になっています。