躰道の技(躰技)は5つに分類されます。
旋技・運技・変技・捻技・転技です。
それぞれ体軸(体の中心線)の変化を利用した術技になります。
これらの術技にはそれぞれ「動功五戒(ドウコウゴカイ)」というものがあり、
術技を修練する上での注意点5つとして定められています。
5つとは、術技の状態・防御の要点・動作の形態・攻撃の方法・攻撃の目標です。
ここでは、術技の主な説明と、動功五戒についての説明を載せています。
ほぼ躰道経験者向けに作っています。
旋技とは、体軸を独楽(コマ)状に横旋回させ、攻撃を施す術技になります。
旋回させることによって、遠心力を加えて威力を高め、
尚かつ相手の攻撃を受け流すことができるようになります。
自然現象の風が木々を通り抜けることをイメージして創られています。
ex.)旋体直状突き、旋体回状蹴り、旋体膝頭当て、など
・動功五戒
旋体風林(センタイフウリン) 旋技は、風が林の中を素早くすり抜けることをイメージして行う
起発制肩(胴)(キハツセイケン・ドウ) 旋技は、肩(胴)を制されないように素早く行う
楕円降下(ダエンコウカ) 旋技は、同じ位置ではなく前進後退しながら降下するように行う
三動一体(サンドウイッタイ) 旋技は、防ぎ手・前進後退・腰の旋回を同時に行う
雁下即決(ガンカソッケツ) 旋技は、相手の中心ではなく雁下(両脇腹)に目標にして行う
運技とは、体軸の上下動を主とした術技になります。
主に相手の攻撃をジャンプしてかわしつつ、攻撃を施す術技になります。
相手よりも高い位置にいることにより、相手の攻撃範囲はかなり制限され、
こちらの攻撃は顔面を狙いやすくなります。 ※但し実戦競技では顔面攻撃は反則
自然現象の波が岩を穿つことをイメージして創られています。
ex.)運体え字突き、運体飛燕袈裟蹴り、運体押し崩し、など
・動功五戒
運体激浪(ウンタイゲキロウ) 運技は、荒波が岩を砕くイメージで行う
起発制足(膝)(キハツセイソク・シツ) 運技は足(膝)を制されないように高足・鈍足・浮足に注意して素早く行う
足甲踏鉄(ソッコウトウテツ) 運技は、防ぎ足・蹴り足が着地する際、相手の足の甲を踏み砕くように行う
三節一体(サンセツイッタイ) 運技は、引き手・防ぎ手の肘・防ぎ足の膝が一点に集まるように行う
関元即決(カンゲンソッケツ) 運技は、上下動があるので、下腹部の関元を目標にして行う
変技とは、倒木状に体軸を倒しながら攻撃を施す術技になります。
相手の攻撃を体を倒すことによってかわすと共に、倒す力を使って威力を高めます。
実戦競技において、一番多用される術技です。
自然現象の雲が様々な形に変化することをイメージして創られています。
ex.)変体卍蹴り、変体旋状蹴り、変体掛け崩し、など
・動功五戒
変体雲風(ヘンタイウンプウ) 変技は、雲が風に吹かれて形を変えることをイメージして行う
起発制股(踵)(キハツセイコ・シュ) 変技は、軸となる股間(踵)を制されないように素早く行う
応変風靡(オウヘンフウビ) 変技は、相手の動きに逆わらずに、風に靡くように体を倒して行う
三鼎共合(サンテイキョウゴウ) 変技は、軸足と体を支える両手(片手)で正三角形を作るように行う
気海即決(キカイソッケツ) 変技は、体を倒して行うので斜め上に向かい気海を目標にして行う
捻技とは、体軸を螺子(ネジ)状に螺旋(ラセン)回転して、攻撃を施す術技になります。
主に伏臥位にて横回転で行います。
相手との間合いがつまったときに利用することが多い技です。
自然現象の渦潮が物を呑み込むことをイメージして創られています。
ex.)捻体半月当て、捻体斜状蹴り、捻体首絡み、など
・動功五戒
捻体渦生(ネンタイカショウ) 捻技は、渦が何かを巻き込んでいくことをイメージして行う
起発制背(胸)(キハツセイハイ・キョウ) 捻技は、背(胸)を制されないように、素早く回転して行う
股間触発(コカンショクハツ) 捻技は、自分の股間が相手に触れるほど近い距離で行う
両腿挟圧(リョウタイキョウアツ) 捻技は、両足の付け根で強く締め付けながら捻って行う
天地即決(テンチソッケツ) 捻技は、首や胴から技が外れても足を狙えるように、目標を上下において行う
転技とは、体軸を球体状に縦回転運動をして、攻撃を施す術技になります。
主に相手との間合いを詰めるために利用されますが、
他の旋・運・変・捻技の全ての要素を含む術技で、それらの術技に繋げるためにも用いられます。
自然現象の雷が一瞬で様々な方向に稲妻を放つことをイメージして創られています。
ex.)転体前転突き、転体側転斜状蹴り、転体宙後転蹴り、など
・動功五戒
転体雷動(テンタイライドウ) 転技は、雷が稲妻を放つように相手の的を打ち砕く勢いで行う
起発制腰(臀)(キハツセイヨウ・デン) 転技は、回転の軸となる腰(臀部)を制されないように素早く回転して行う
応転雷火(オウテンライカ) 転技は、相手の動きに応じて、稲妻のようにどこへでもに動けるように行う
三曲同折(サンキョクドウセツ) 転技は、首・腰・膝の三つの関節を同時に曲げて滑らかに行う。
間合即決(マアイソッケツ) 転技は、相手との間合いに応じて回転の幅を調整して行う