△トレーニング理論
2.神経・筋肉の発達について
一般的な人の筋肉は、70%程度しか使われていません。
トレーニングを一定期間続けていくと、まず始めに神経系の発達が起きます。
あまり使われない部分は、神経があまり発達しておらず、脳からの信号が細かく伝わりません。
トレーニングで神経が発達すると、伝わる情報量が増え、細かい動きもできるようになります。
また、神経が発達していくことによって、筋肉の使用率が高まります。
そのために出力が高まりますが、筋肥大までは起こりません。
更にトレーニングを続けていくことによって、筋肉繊維の発達が起こります。
そうすると筋肉が発達して、筋肥大が起こるようになっています。
筋力増強には男性ホルモンが欠かせないため、女性は男性に比べて増強しにくくなっています。
また、増強してもトレーニングを止めると短期間で元に戻ってしまいます。
筋肉繊維には、3種類あると言われています。
1つは遅筋繊維(SO繊維)、1つは速筋繊維(FG繊維)、1つは中間筋繊維(FOG繊維)です。
遅筋繊維は、長い時間、力を出すことができますが、出力は低いです。マラソンランナーの筋肉です。
速筋繊維は、短い時間しか力を出せませんが、出力は高いです。短距離走者の筋肉です。
中間筋繊維は、遅筋速筋を足して2で割ったような筋肉繊維で、中距離走者(1500m等)の筋肉です。
短時間・高負荷でトレーニングを行うと速筋繊維が、長時間・低負荷で行うと遅筋繊維が、
中時間・中負荷で行うと中間筋繊維が発達します。
ただし、速筋・中間筋は発達しやすい人と、しにくい人がいます。
筋力トレーニングを行うと、その後に筋肉痛になると思います。
筋肉痛とは、細く弱い筋繊維などが切れて筋肉内で出血が起き、痛みとして感じている状態です。
この切れた筋繊維はいずれ繋がって筋肉が回復するのですが、それには48時間必要だ言われています。
そのために、翌日は使った筋肉をしっかりと休ましてあげることが大切になります。
休めずに同じ部分を鍛え続けると、更に出血することになり、筋繊維の回復が遅れます。
これを『オーバーワーク』と言い、筋力低下に繋がってしまうので注意が必要です。
このようにトレーニングをすることによって筋肉が傷つきます。
そうすると、人の身体はその部分をより強くして回復する性質があります。
そうして筋肉がより強くなることを超回復といいます。
この超回復によって強くなった筋肉は、また時間と共に元の状態に戻ってしまいます。(可逆性の原理)
一番強くなっている状態で再度トレーニングを行うことで、一番効率よく鍛えることができます。
これが大体48時間になるわけです。
しかし、筋肉が回復する前にトレーニングするとオーバーワーク(逆効果)に、
期間が空きすぎて元に戻ってから行うと、アンダーワーク(効果無し)になります。
ただし、一日空けても筋肉痛が抜けていない場合は、筋肉内で出血した血がまだ残っている状態なので、
ストレッチをしっかりと行い、軽い負荷でのトレーニングをする方が好ましいです。
加えて、神経・筋肉は寝ている間に回復・発達をするので、筋力トレーニングは夜に行う方が効果的です。