△トレーニング理論
5.スポーツ向け筋力トレーニングとは
躰道家を始めスポーツ競技者は、動ける体作りをしなければなりません。
動ける体作りに一番適しているのは、躰道なら躰道の稽古をすることになります。
しかしそれだけでは、ある程度いくと筋力不足で伸び悩む状態になってしまいます。
そうならないために、筋力トレーニング(補強運動)は欠かすことのないものになっています。
では、スポーツ競技向けの筋力トレーニングはどのようにするか、ですが、
ジム等で器具を使って行う場合は、マシンはウォームアップ程度にしておいて、
基本はフリーウェイトにて行います。
なぜかといいますと、マシンは動きが制限されており、使われる筋肉数が少ないのですが、
フリーウェイトはバランスが必要になり、より細かい筋郡も鍛えることができます。
そのために、スポーツにおける複雑な動きへの対応も可能になります。
器具を使わずに行うセルフウェイトのトレーニングは、動ける体作りには最も適したものになります。
しかも場所をとらず、いつでもできるので、主として行うべきトレーニングになります。
しかし、パワーアップを図るには心許ないので、うまくフリーウェイト・トレと合わせ行うことが理想的です。
ここのトレーニング実践編で載せているのは、このセルフウェイト・トレになります。
トレーニング方法については、チーティング(反動を使ったトレ)と初動負荷法を重点的に行います。
一般向けのトレーニングではチーティングは怪我予防のため否定的ですが、
競技においては、切り返しなど反動での爆発的な筋収縮が必要になります。
そのためにチーティングは欠かすことのできない重要なトレーニングになります。
また、初動負荷法とは、動きの最初の部分に負荷をかける方法なのですが、
例えば、腕立てでは、肘を曲げて顎が床に着いた状態から、体が5cm程度素早く上げて、
すぐに力を抜いて顎が付く前に同じく上げる(秒間3回程)、ということを繰り返すトレーニング方法です。
初動負荷で行うことによって、初期動作のスピードアップに繋がります。
注意点として、この2つのトレーニングは、怪我防止のため軽い負荷で行うことが挙げられます。
このスポーツ向けトレでは、重い重さが上げられれば良いわけではありません。
マックスのパワーを上げることもとても大切なことになりますが、
競技スポーツでは、いかに素早く反応することができるか、が大切になるということを忘れては行けません。
そのために、上記のチーティングや初動負荷法において神経系も鍛えることを重視する必要があります。
更に、トレーニングは補強運動であり、筋力アップが目的ではありません。
筋トレ1種目をした後すぐ、その筋肉を使う運動を行うことが重要です。
例えば躰道では、腕立てをした後は、卍蹴りや半月当てを行い、
鍛えた筋肉にどういった動きで使われるかを記憶させることが大切です。
また、柔軟性の欠如は、怪我の原因や技術力低下にも繋がりますので、
筋トレの前後は必ず、使った部分を柔軟してあげるようにして下さい。
加えて、トレーニングは同じ種目を何セットも行うのではなく、
同じ部位を使うトレーニングでもいくつかの種類を行うようにします。
また腕立てで例を出すと、腕立て・拳立て・指立て・片手腕立て・倒立腕立てなど様々な種類を行います。
そうすることによって、腕立てのみの筋肉だけではなく、それに付随する細かな筋肉も鍛えられ、
より細かい動作に適応できる筋肉を作ることができます。
現在はまだ未着工ですが、ここのトレーニング実践編で、
基本的な筋力トレーニングの種目に応じて、いくつかの種類を載せています。
それを参考にしてトレーニングしてみて下さい。