△スポーツ傷害
3.スポーツ外傷の応急処置
怪我をした時、その場で最低限の処置をすることが、怪我を悪化させないために大切になります。
それを怠ると、怪我の悪化・回復の遅延・障害への発展に繋がります。
外傷の応急処置は、良く知られているRICE処置になります。
RICEは、
Rest(安静)
Icing(冷却)
Compression(圧迫)
Elevation(挙上)
の4語の頭文字になります。
Rest
受傷したら下手に動かさず、安静にしておきます。骨折では、さらに添え木固定します。
添え木固定は、受傷した部位の長軸方向(骨に平行)に添え木(割り箸・定規などでも可)を当てます。
この時、受傷した部分の上下の関節をまたぐように固定します。
Icing
受傷すると、受傷部では毛細血管が破れ、血液が流出します。
それが続くと、受傷部が腫れてきて血流が滞り、酸素不足で受傷部の周りの細胞まで破壊されてしまいます。
そのため、それを防ぐために受傷部を冷やし、血管を収縮させて腫れを最小限に抑えます。
アイスパック・氷嚢等を用い、冷たさ・痛みを通り越して感覚が無くなるまで冷やし、
感覚が無くなったら外してしばらく休ませ、感覚が戻ってきたらまた冷やす、これを繰り返します。
大体、20分冷やし1時間休み、さらに20分冷やし…を繰り返すことが望ましいです。
アイシングは受傷後48時間は行うことが大切で、その期間は、お風呂で受傷部をお湯に漬けてはいけません。
また、冷シップはアイシングの効果はありません。
受傷直後に貼っても回復が早くなることはありませんので、注意して下さい。
Compression
患部を圧迫することで、腫れを抑えることができます。
アイシングをしながら、その上からタオルや包帯を巻いて、固定・圧迫を行なうと効果的です。
しかし、あまり強く圧迫してしまうと、患部よりも先に血液が行かなくなってしまうので、注意します。
また、患部に出血が見られる場合は、圧迫して止血します。
圧迫する部分は、患部よりも近位(心臓に近い方)で行います。
小さな出血であれば、患部もしくは患部のすぐ上を5分程度抑えていれば、止血できます。
素手でも良いですが、ガーゼなどで行うことが望ましいです。
出血が多い場合、布などで腕なら腕全体を圧迫し、血流を止めて止血します。
Elevation
患部に血流がいくと、出血・腫れがひどくなるので、挙上します。
挙上は、患部が心臓よりも高い位置にくるようにします。
Rest(安静)と合わせて、床などに寝かせ、患部を挙上・冷却・圧迫する方法が一番良いとされています。
このRICE処置は、応急処置の基本になります。
脱臼等の関節の怪我では、さらなる応急処置もありますが、素人が下手に触ると悪化させる危険もあります。
知識・技術がない場合は、RICE処置のみに留めておき、病院に搬送することが大切です。